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あれから10年。これからの10年を小田原で暮らすのか、とか。

あの日から10年、ということで、少し思い出話も混ぜながら、これからの10年のことなども考えてみる。 今犬と一緒に暮らしているという現実と、未来のことを。
会社のブログに書いたやつに手を加えただけという手抜き投稿っていうことは秘密にしておく。

2011年3月11日のこと

あの頃はまだ僕は会社員で、新宿のオフィスで働いていた。
部下2人と会議をしている最中で、最初は「あ、地震だね。」だったのが、「長いね、この地震・・・。」になり、次第に座っているのも困難になり、机の下に2人のスタッフを避難させ、会議室のドアを開けて自分も机の下に。
そのうちの1人のスタッフは大阪出身なので阪神大震災も経験していたのだけど、それでも生きた心地はしなかったとのこと。生きてるから笑い話だけど、ダブルパンチですね、って。

揺れが収まり、窓の外を見ると新宿の街は大混乱。甲州街道にも明治通りにも人が溢れ、新宿駅には人が殺到し、車はもう通れる状態ではない。ビルが倒れてくると思ったようで、歩道にいた人たちが道路の真ん中に集まっているという異常事態。
オフィス内は棚がそこら中で倒れ、PCのモニターがあちこちに散乱。たまたま有休で休んでた人のPCのモニターに本棚がぶっ刺さって壊れたりしてた。

ひとまず社長の指示のもと、全員で避難をしましょうということに。みんなが避難場所だと思っていた新宿御苑、会社から歩いて数分のところだったけど、まさかのここは避難場所ではないので入れません、と。
そこそこ大きなビルで働いていたから、僕はあまりむやみに動くよりは、ちゃんと情報がわかってから動いた方が良いかなと思い、数名と一緒にビルの1Fに残ってた。

直前にニュージーランドの地震があって、そのときにビルが倒壊し、エレベーターだけが残っている映像が記憶にあったから、エレベーターの周りはもしかしたら地震に強いんじゃない?なんて話をして、みんなでエレベーターホールにいた。いざというときにすぐに外に出られるということもあり。
※この情報が正しいかどうかはわかりません。

繰り返す余震に怯えながらも一度みんな事務所に戻ることに。テレビをつけて津波や火災の映像が流れるのを見て、みんなで言葉を失った記憶。本当にこれが現実なのか、と思った。

社長のとっさの機転でコンビニに行って今すぐ全部のパン買ってこい、とスタッフが買いに走る。100名近いスタッフがおり、家が近い人も遠い人もいるため、会社に宿泊するスタッフもいるだろうということで、食料をまずは手配。今考えると、さすが100人以上の社員を雇う会社の社長だな、と思う。
あの何の役にも立たないお飾り社長って言ってたけど、自分があのとき会社の社長だったらどういう判断ができたのだろう、と思う。自分が社長になってみるとわかることってたくさんある。
今は震災を経験したこともあり、いろいろとできることもあるのかもしないけど、あの頃は防災に対する意識っていうのは何もなかったっていうのが本音。

余談。当時はネット通販の仕事をしていて、余震が続く中、今日お届け予定の荷物が届かない、というクレームで関西の人から電話があり、「お前のところ東京なんだから地震なんか関係ないやろが!!」って怒鳴りつけれ、部下がキレて「こっちは大変なことになっとるんや!関係ないわけないやろが!!」と関西人(ちなみに女性です)丸出しで怒って電話を切っていたのには正直笑った。もう今日は電話は出なくていい、サイトに臨時休業って書いておこう、ということに。あの客のことはたぶん震災のたびに思い出すんだろうな、と思うし、当時一緒に働いてた仲間と会うとその話をしたりする。そんな人間にはなりたくない、と心から思うし、これだから関西人は、というアツい風評被害を付け加えておく。

電車が動かないということで、遠い人は会社に宿泊する、近い人で帰れる人はひとまず徒歩で帰宅することに。僕は新宿から3kmほどのところに住んでいたので20人ぐらいのスタッフと一緒に帰宅。車は大渋滞、人も歩道からあふれるほどで全然進まず。1時間もあれば帰れるようなところを2~3時間かけて帰った記憶がある。近所の自転車さんは自転車がすべて売れていた。笹塚というところに住んでいたのだけど、新宿から歩いて疲れた人たちが、限界を迎えて笹塚で自転車を買っていたみたい。

僕は家に帰るのが怖くてそのまま行きつけの飲み屋さんに。一人暮らしで同じようなことを考える常連さんが続々と集まり、朝方まで地震に怯えながら酒を飲んでいたけど、全然酔いは回らず。今は犬がいるので、まっすぐ家に帰ると思う。

この先、大地震が来たら

もし、今大地震が来たら・・・ということを時々考える。
東京の事務所がある代々木のオフィスは築50年以上の古い建物だから、正直地震本体に耐えられるのかどうか。今はほぼリモートワークということもあり事務所にいる時間は月に数時間っていうところだけど、もし代々木の事務所にいたらとりあえずは外に走って逃げようと思う。

が、問題はここから。今は事務所から家までが3kmなんてことはなく、小田原まで80kmもあるので、歩いて帰るっていうわけにはいかない。どうしたもんか。
普段はリモートというか、自宅で仕事していることが多いのでそんなに心配はしていないのだけど。

車で来ていれば渋滞覚悟で家路につくと思うけど、電車で来ていたら、新幹線や小田急線が復旧するのを待つしかない。万が一のときに事務所に泊まれるようにはなっているけど、お風呂がないのであまり泊まろうという気持ちにはならない。

近くに住む知り合いに合鍵を渡して、万が一のときは犬をよろしく、と言うしかないかなぁ。たぶんやってくれるとは思うけど、その人だってそれどころじゃないと思うし、かといって、犬に避難訓練させるわけにもいかず。
一応WEBカメラはつけてはいるけど、たぶん揺れでカメラは棚から落ちちゃうだろうし。

大家さんに見つかったら怒られるけど、事務所に犬を連れて行くことも多いので、その場合はどうやって犬を吠えないようにするかが課題だったり。あとはドッグフードを東京に行くぐらいだと1食分しか持って行かないからどうしよう、とか。

対策としてやっていることは、
・背の高い棚は倒れないように壁と固定(賃貸住宅だっていうことは秘密。そんなことより犬の命の方が大事。)
・クレートやケージに入れても騒がないようにしている(自ら入るとは言っていない)
ぐらいかなぁ・・・。

どんなことをしたら良いのか、いろいろ考えないといけないね。
当時と違うのは、今は海のある街で暮らしているから、津波の心配をしないといけない。調べたところ、自宅は海からの直線距離は約3km、標高は20mということで、たぶんここまでは津波は来ないだろうとは予想。もし来たとしても、海と反対方向に行くと山だし、あまり津波の心配はしていない。標高50mのところまででも歩いて10分程度。酒匂川までも1.5kmあるし。
ただ、散歩とかで海や駅前にいることも結構あるから、そういうときはどうしたら良いのかなって思ったりもする。あまり心配しすぎても日常生活に影響が出そうだけど、車をとめるときに、ここでもし地震とか津波があったらどこに逃げるんだろうな、っていうのは少し考えるようにはしている。自分一人ならともかく、犬を連れていることも多いから。

車で避難できると良いのだけど、果たして車で行けるのか。避難所に犬を連れていけなかった場合、車で過ごすというのが現実的なので、なんとか車が被災しないようにと願うばかり。
と考えると、車の中に、犬のフードやトイレなどいろいろ準備しておいた方が良いのかな。でも、腐りそうだからすぐに持ち出せるようにしておけばいいか。自分の食べ物の心配より犬の方が心配。自分は少しは我慢すれば良いけど、犬はあまり我慢させたら人を食べるかもしれないし、などと余計なことも考えちゃう。

あのとき被災した犬や猫、その他の動物たちはどうしたのだろうか。ネットで調べればいろいろな情報が出てくるのはわかってはいるのだけど、たぶん涙なしには見られない話もたくさんあるんだろうな、と思うと調べられずにいる。
琥珀は今のところ泳いだこともないから、もし水害があったら、のことを考えると、泳ぐ練習させようかな、犬用のライフジャケット買ってあげようかな、とか考えてる。僕は泳げるので、長時間でなければ犬を抱いたまま泳ぐこともできると思うけど、年をとって体力がもうないので、僕のライフジャケットが必要なんじゃないか、とか。

あれから10年

あれから10年、本震直後は、いつでも逃げられるように、靴下をはいて、ベッドの脇にはスニーカーを置いて寝ていたけれど、いつの間にかそれもやらなくなった。
背の高い家具は賃貸住宅だという現実は一旦忘れてできるだけ固定するようにはしているけど、家の中に物が散乱しないように対策がされているかと言えば、そうとは言えない状況。
いつでも逃げられるように、防災グッズとまでは行かなくても、必要なものをひとまとめにバックパックに入れていたのも気づけばやらなくなっていた。たぶん保存食の賞味期限が切れそうなタイミングで食べてそのまま止めた気がする。
いつ来るかわからないものだから、自分だけでなく、犬の命のことも考えてこれからの防災について考える日にしたいなと思うこの頃です。

これから10年、小田原で暮らすのかどうか

お試し移住2年、と決めて東京からやってきたわけだけど、もう早いもので23ヶ月目。
そして、なんと、アパートの契約更新済み。(2月に)

ずっと住むなら家を買った方が良いというのはよくわかってるけど、会社のこともあるし、コロナ禍で会社の借り入れが増えたりもしたので、あまり無計画にお金をジャブジャブというのも不安になる。(実際はジャブジャブ使って、カードの請求に目ン玉飛び出そうになる)

一生住むかどうかはわからないけど、もう少し住もうと思っているのが今の状況です。良いところだと思うし、住みやすいと思う。犬を飼ったせいもあるし、車を買ったせいもある。

人とのつながりが東京よりは密な分、正直言えばめんどくさいこともたくさんある。そういうのをどこかでシャットアウトしたくなったときにいなくなるかもしれないし、いつかは慣れていくのかもしれない。慣れたくないと思う自分もいるし、もういいか、と思う自分もいる。

一生小田原で暮らすなら、小田原でひとつやりたい事業があるっちゃあるというか考えたので、そのときは東京の今の会社の子会社を小田原に作って、ちゃんと事業として立ち上げられるようになれば一生住もうかなとも思う。

地元の埼玉・川口がもちろん一番長く住んだ街ではあるけど、その次が初めて一人暮らしをした笹塚、で、なんとその次は早くも小田原になってしまった。趣味引っ越しっていうぐらい毎年引っ越ししているような人生なので、久しぶりに不動産の賃貸契約の更新をした。

どうしてもいなくなりたい理由は今のところ見当たらないし、いいのか悪いのか、コロナのおかげで東京に行くことも減ったので、まぁもうしばらく暮らそうと思っていますので、引き続き、よろしくお願いします。